ー観光客を呼ぶことがすべてか?ー
2024/03/17 奈良県生駒市の広報公聴課によって県内外から23名が"しおのめハウス"という古民家に集まった。
そのイベントが、まちの交流会「つどい」。
https://goodcycleikoma.jp/10549/
築50年の古民家を民泊や、レンタルスペースとして利用することができる"しおのめハウス"。
子ども食堂やフリースクールなどの活動をされる溝口雅代さんが新たにオープンした。
溝口さんのお話では、民泊数が最も少ない生駒市。参加者からは、高齢者が最も多いのが生駒市とも。
そんな生駒市に果たして魅力があるのか?
生まれてから28年間、生駒に暮らす自分は「観光資源が少ない生駒で民泊がうまくいくのか?」と疑問を抱き、実際に行動する溝口さんのお話を伺うべく抽選に応募。今回、運良く参加することができた。
ー古民家の魅力と集客。ー
30人ほどが利用できる広い和室に入り、窓の奥では程よく揺れる竹藪が心地いい。
民泊やレンタルスペースとしてオープンした溝口さんのインタビューの後、1階と2階をぐるっと見て周った。
溝口さんが一目惚れしたトイレのタイル。照明は場所により異なり、かわいい光をそっと伝えてくれる。大工さんが惚れ惚れしたという天井の模様。
元々住んでいた人の愛情を聞いて、見て感じることができた。
参加者には古民家の再生や改修関係のお仕事をされている人が、認識する限り2名いた。会館や会議室で開催されていたら、その方たちは参加していないかもしれない。
懐かしさを感じる人、新しさを感じる人、、異なる感性を与える古民家が、人を寄せ集め(a random gathering)たことに、可能性も感じた。
ーグループに分かれての話し合い。ー
お話を聞いて古民家を見て、今後どのような利用法などがあるか4〜5名ほどで話し合った。
私が出した意見は
・映画やドラマの動画作品のロケ地としての使用
のみだったが、グループや全体の発信を受けて、こう展開した。
・防災士のような災害対策や救命方法を実際の民家で学ぶ場に。
…東日本大震災のドキュメントを見て、災害や救命について知りたいと思ったが、それを知る場が少ないと感じたため。(防災士とは、、https://www.nhk.or.jp/toyama/lreport/article/001/52/)
・大人の遠足会の拠点に。
…その地域に住んでいると灯台下暗し的に、良さや名所を、近すぎて知らないことが多いと感じた。自分の地域を知る遠足を経て、魅力を感じたり、知識を得ることができる(勉強だと堅苦しい、、)。
遠足先で解散するのではなく、その感想などを話し合う拠点になれば、その地域にまた還元できるのではないか。
※生駒市は、山寺(宝山寺)や茶筌(ちゃせん)、ラムネ、おかき等が有名。さらにバネのシェアが日本一レベルの工場があるというお話も!
この大人の遠足会からー観光客を呼ぶことがすべてか?ーという思いを抱いた。
ー観光客を呼ぶことがすべてか?ー
人口減少、南北に伸びる地域差から観光地を資源とした動きは日本全体で強くなっているのではないか。しかし、観光客を呼ぶことが正解なのか。もちろん海外の人にその地域を知ってもらい、お金を落としてもらうことも必要だと思う。
同時に、地域の人に、地域のことを知ってもらい、お金を落としてもらうことで生まれる地産地消的な観光がもっと盛んになってもいいのではないかと感じた。
ホテルに泊まる観光だけではない、古民家の宿泊や民泊を通じて、また違う観光を味わえる可能性もある。
そういう思いを今回のつどいで感じたし、このような思いに至るには、各地域で直接体感することが必要だと思った。
各地域や団体は、住民が住民を知る機会や、交流する場を与えたり広げることで、より活性化するのではないか。
ランダムな集まり(a random gathering)だからこそ見えることもあると思った。
課題・展望はどこにあるのか?ーまとめ
・都会でも田舎でもなく、イベントやお祭りが頻繁にはない地方での暮らしに興味を持つ旅行客は少数派ではないか。
・大阪や京都に出やすいという利点で、都会ではなく生駒に宿泊する選択になるのか。
・観光を地産地消するための魅力や交流があるのか。ないなら生み出せるのか。
・「観光生駒」の看板を話に出す人もいたが、生駒新地とか元遊郭と呼ばれる場所を観光地として勧めるのか。
・拠点となる"しおのめハウス"を知ってもらうために何ができるのか、どう発信するのがいいのか。
思考を巡らせ、行動できる点はまだまだ多い。
ただ希望はある。
それは今回のイベントに20名以上が応募して参加したこと。民泊をオープンした溝口さんが、進化していく民泊と表現し、実際に宿泊者や関係者とともに作り上げている最中だということ。
運営に高校生が関わっていること。
SNSなどWebサービスはこれからも進化して生活に切り離せないものになっていく。そうした中で、直接人と人が関わり、会話して発展していくことには希望を持っていたい。
生駒市だけでなく地方の観光について、地域に参画すること、人との関わりについても考えるキッカケとなった。
何よりこのような集まりが継続して行われ、それをもとに発展に繋げられる仕組みだと思う。その場限りではない場の創出や提供について興味が湧いてきた。
自分1人でできることは少ないが、少しずつ行動を起こしていきたい。
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おわり。
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